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換気装置をもっていたヨーロッパの気密的な家造り

2011.09.30

家は、その土地の風土に合わせてつくられてきましたが、その点、ヨーロッパの家は日本の家とはまったく対照的です。寒くて日照の少ない冬を過ごすためのシェルターとして発達してきたヨーロッパの家は、冬の寒さに対応するため、昔から密閉的につくられてきました。締め切った家の中は、煙突のある暖炉によって暖房されます。この場合、暖められた燃焼ガスが煙突を昇っていく圧力によって、室内に新しい空気を流入させることで、特別な設備を使わずに安定した換気が行なわれます。暖炉を燃やさない季節でも、この煙突効果によって室内の空気は外気と入れ替わることができたのです。ヨーロッパでは、煙突の存在によって排気燃焼ガスを室内に放出しないため、暖炉という直火による暖房でありながら、多層階(二階建て以上)の住宅に移行することができたのです。つまり、ヨーロッパの密閉的な住宅は、煙突と暖炉の活用による換気装置を備えていたのです。だからこそ、密閉的な住まいでも、空気が汚染されずにすみ、健康に暮らせたわけです。昔の日本の住宅のように、外に対して開放的で、いろりを焚いても部屋の空気が暖まらず、背中がスースー寒いというように、その熱をすべて外に捨てていくという生活にくらべると、ヨーロッパの住宅と暖房、換気システムには合理性があります。この違いは、夏向きの家と冬のための家という、家に求めるものが根本的に異なるところからくるものでしょう。日本では、戦後、住宅が開放型から密閉型に向かうなかで、欧州の暖炉に相当するような換気システムは発明されませんでした。というより、その重要性が意識されなかったのです。ですから、ヨーロッパのように一晩中暖炉が赤々と燃える暖かい家ではなく、直火を焚く開放型ストーブという密閉化とは矛盾する暖房器具で、ガス中毒などの危険と隣り合わせでピクピクと暖房する生活になってしまったのです。

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