現代の家相を考えるにあたって、もっとも判断に迷うものが設備関係です。とくに三備と呼ばれる井戸と竃と厠、つまり水回りと火とトイレが、いずれも戦後数十年の間に大きく変質してしまいました。かつて汲み取り式だった厠は、清潔な水洗トイレに姿を変えました。北東の厠が禁忌とされたのは、日当たりが悪くて湿りがちなため不衛生になりやすく、風によって悪臭が家の中にまで運ばれやすいためです。しかし、水洗トイレならそんな心配はありません。
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その結果、トイレ自体は多少、鬼門にかかっていても「便器の位置が外れていればよい」とか、「貯水タンクが外れていればよい」という解釈も成立するようになりました。むしろ現在では、屋外に設置される浄化槽や汚水槽のほうが問題だという人もいます。浄化槽とは、トイレやキッチンから流れ出る汚水を沈殿分離し、浄化するための桶のようなものです。昔は「溜め枡」とも呼ばれました。したがって、当然、悪臭の元となります。今、都市部の住宅地では、家の敷地内に浄化槽が設置されることはほとんどありません。しかし、汚水槽ならどの家にもあります。これは下水管の継ぎ目に設けた箱のようなもので、下水管が詰まったときに内部をさらうために上部が開口するようになっていて、蓋がついています。ここから悪臭が漏れることがあります。
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