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長年暮らした土地を離れるのはひじょうにつらい

2011.12.23

夫が仕事、仕事に明け暮れていた三十数年の間、共働き家庭を別として、多くの妻たちがどこに所属していたかといえば、地域社会なのである。妻たちだって愛する故郷を離れ、慣れない土地で結婚し、家族をつくり、家庭を守ってきた。遠くにいる両親の健康を案じながら、子供を育て、夫を支え、ささやかな生き甲斐を見出してきた。その意味で妻たちは夫以上に地域生活に親しんでいるし、夫には想像もできないくらい濃く深い人間関係を築いている。

(参考)
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そうした生活パターンや人間関係は、夫の定年後もそのまま続くはずのものだった。にもかかわらず、いきなり夫から「田舎に帰ろう」と言われたら、どんな気持ちになるだろう。夫にすれば「オレの親の世話をするのがそんなにイヤなのか」と言いたいかもしれないが、それほど単純な問題ではない。夫にとって長年所属した組織を離れ、人間関係を失うことがつらいのと同様、妻にとっても長年暮らした土地を離れるのはひじょうにつらいことなのだ。