どんなに優れた商品でも、過剰供給されたものは、投資対象としては適していない。不動産投資についても、この考え方は重要である。住宅にしろ、オフィスにしろ、需要が高いのは、働く場所が多く、人が集中して流入してくるところにある。人口が減少し続け、過疎化していく地域では、住宅やオフィス、店舗などの需要は減少して、価格も急落していく。全国平均はすでに減少しはじめている。北九州市は、この三十年ほど減少が続いているが、同じ県内の福岡市は六十数年間、人口の増加が続いていて、人口数は両都市間で逆転してしまった。その結果、土地など不動産の価格や賃料の水準は、現在、福岡市のほうが北九州市より高くなっている。同じ百万都市であっても、人口の増加が続いている都市への投資が期待を持てるということになる。しかし現在の福岡市の賃貸オフィス、賃貨住宅の市況は厳しい状態に陥っている。それは、人口増加などを見込んで大量に供給されたからで、住宅の空き家数は二〇〇三年から二〇〇八年までの五年間で毎年約八〇〇〇戸ずつ増え続けて、現在では約四万戸となり、空き家率も一五%近くになっている。オフィスも同様に、空室率が高水準になってしまった。何かに投資をする際に、将来の需給見通しを予測するのは相当に難しい。
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