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とにかく強引に売り込め

2011.10.14

住宅営業というのは面白いもので、強引な営業をすることが、かえって客から感謝されることになることが往々にしてある。何千万円もの借金をする商品だ。だれだって、契約するときは判を持つ手が震え、名前を書くために持ったボールペンが契約書の上で一瞬凍り付く。「書くよ、ここでいいんだよね」とかなんとか言いながら、ゆっくりと名前を書き記す。そして所定の箇所に署名押印を終了すると、「ふうー、契約しちゃったよ、ついに!」と顔を紅潮させて一人で興奮状態に突入する。ざっとこんなところが、一般的庶民の契約風景だと思ってもらえればいい。一般的庶民だけに、小心者が多い。建築請負金額2500万円!という現実が重くのしかかり、消費税75万円がそのか弱い心臓を直撃する。だから、自分の口から契約の意思決定を発することができない客が非常に多い。設計や見積もりを何度となく提出し、値引きも精一杯努力してもうこれ以上なにもすることがない状態になっても、「別に問題はないと思うけどね……」と首を縦に振らないのだ。経験が浅い住宅営業マンだと“何か決め手が欠けているんだ。だが一体なにが不満なのだ?”と袋小路に入ってしまうところだが、ベテランは違う。「お客さん!もうウジウジしないで決断しましょう。明日契約書持ってきますからお金用意しておいてくださいよ!」新入社員ではとても怖くて言えないが、ベテラン社員になると、これだけ強引に押しても契約が流れないことを経験上知っているのである。

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